葬式は悲しんでいる場合ではありません。
ドラマなどで観るお葬式は静かで悲しみにあふれています。
お経と木魚の音とすすり泣く音だけが聞こえてきます。
でも、実際にはお葬式をする側の裏仕事はとても大変です。
不謹慎かもしれませんが…お葬式をする側になり、親族としてキチンとしておかないといけないことや意外と知らないことがたくさんあったのでそれをお知らせしたいと思い、このことを書いています。

裏方仕事のはじまりはじまり。
父が病院で息を引き取りました。
お医者様が死亡確認をして、死亡時間を伝えてくれて、合掌してくださいます。
医療器具が外されます。
ここからが、裏方仕事のはじまりになります。
亡くなった方は自家用車では連れて帰れません。
ご存知の方からすると当たり前のことかもしれませんが、意外と知らない方が多いのだそうです。
亡くなった方を病院から連れて帰るとき、自家用車で連れて帰ることができません。
まずは、葬儀屋さんに連絡をしなければいけません。
互助会などに入っている場合にはそちらに連絡をして手配してもらいます。
生と死はどちらも待ってくれるものではありませんので、だいたい24時間対応になっています。
昔の霊柩車は豪華でどこから見ても霊柩車だ!とわかりましたが最近ではパッと見た感じがわからないタイプに変化しています。
病院から送り出してくださる時にはクラクションを鳴らしてくれるところは変わりません。
お葬式の打ち合わせ
病院を出て、自宅や葬祭場にご遺体が運ばれた後、すぐにお葬式の打ち合わせが始まります。
どの形式でのお葬式なのか。
通夜をするかしないか。
納棺。
告別式。
火葬。
などなど。
の日取りを決め、どのくらいの規模にするのか、お葬式に必要な物をひとつひとつ細かく決めていきます。
決める物には、
供物や花
引き物
精進落とし(お食事)
棺
骨壺
などなどをほとんど亡くなったその日のうちに決めなければいけません。
遺影選び
全部決めたからそれでおしまいではありません。
自宅に戻り、親戚や知人への連絡に追われつつ、遺影の写真選びをしなければいけません。
新聞に載せるかどうかも決めて連絡が必要です。
写真をながめてなつかしく思い出にふけっている時間はありません。
温度差がある現代のお葬式
写真が決まったらそのサイズを決めてお葬式の打ち合わせをしなければいけません。
喪主が誰になるのか、そして喪主はここでこういう動き、ここでこうあいさつをするなど、参拝の手順など事細かく伝えられます。
今の時代は、家族の人数が少ないこと、高齢化で夜通しの付き添いが告別式に負担になること、休みが取れないことなどを考慮して通夜は省略されることが多くなっているそうです。
告別式の日に納骨まで行う方も多くなっているそうです。
家族葬を望む家族側と今までお世話になった、自分の親の時に参列してもらったなどの思いのある方とはかなり温度差があることが今新たな問題となっています。
それが原因で不仲になってしまうこともある多々あるようです。
故人の遺言の通りにしてあげたくてもなかなかそのようにできないのが現状です。
見直されるお葬式とお墓
お葬式の形態が変わっていくように、お墓の形態も変わりつつあります。
後継者のいない方々がお墓を手放すことが多くなって、永代供養や樹木葬、散布葬などお墓のかたちにこだわらない人が多くなってきています。
逆にお墓に会いに来たいとお考えの方にはその考え方はついていけないらしく、ここでも価値観の違いが問題になっています。
これを機にお葬式やお墓の話を縁起でもないと避けるのではなく、家族で話し合うのもひとつだと思いました。
なによりも家族の気持ちがひとつでないとまとまりがつきませんし、悔いのないように送り出すことができないと思います。
一緒に暮らした家族でもそれぞれの思いや価値観が異なる場合があります。
何かあった時に心を一つにしておくためにも、話し合ってみてはいかがでしょうか。
他人事ではなく、自分を見直すとき。
そして、もうひとつ。
自分はどうしたいのか。
を決めておくと良いかもしれません。
家族がお墓を手放した時、当たり前のようにそこに入ると思っていたけれど入ることができなくなる場合もありますし、自分は家族とは考え方が異なる場合もあると思います。
遠い未来のことと思わずに自分だったらどうしたいかを考えておく時代なのかもしれません。
お葬式の話は次回に続きます。