お葬式のお話の続きです。
前回は、何派でお葬式をするかによって異なることや喪についてお話をしました。
今回は、お葬式が終わったその後のお話です。

ここからが裏方仕事の本番です。
お葬式が無事終わって、参列してくださった皆さまを見送りました。
さぁ、ここからはじまります。
今後どのような動き方をすれば良いのか?
何をどこにどうすればよいかはお葬式が終わると、葬儀屋さんがすべて教えてくださいます。
いなくなった人のことを本人不在のまま手続きが始まる…。
なんとも不思議な時間です。
死亡届の提出
年金の手続き
銀行の手続き
各種保険の手続き
各種名義変更の手続き
携帯などの解約手続き
そして、納骨やお墓のこと…などなど。
これらをいつまでにやらなければいけないことなのか、優先順位などを事細かく教えてくださいます。
手続きがたくさんあります。
死亡届を提出や名義変更などの手続きは実家の家族にお願いして私は帰宅しました。
でも、またすぐにとんぼ返りすることになりました。
実家から連絡があって私の「印鑑証明書」が必要とのことでした。
なぜ、「印鑑証明書」が必要かと言うと、人が亡くなるとその身内には「相続」という手続きが出てきます。
財産がある、ないに関わらず、亡くなった人の身内である限り通らなければいけない手続きのひとつです。
「印鑑証明証」は登録してある印鑑の「印鑑証明証」のカードを持って各市町村の役所または公民館やコミュニティセンターなどですぐに出してもらえます。
それを持って実家に帰りました。
次に、また連絡があって今度は「戸籍謄本」または「戸籍抄本」が必要だと言われました。
こちらは、「印鑑証明証」と違って近所のコミュニティーセンターでは出してもらえません。
なぜかと言うと、これは本籍地のある市町村の役所でしか出してもらえないからです。
私は実家を出た時に、本籍地はそのまま実家のままになっています。
戸籍謄本と戸籍抄本の違い
では、「戸籍謄本」と「戸籍抄本」はどうちがうのでしょう?
どちらも戸籍簿の写しです。
「戸籍謄本」は、戸籍に載っている全部の写しになります。
「戸籍抄本」は、戸籍に載っている個人の写しです。
「戸籍謄本」があれば、問題ないことでも、「戸籍抄本」ではもう一度「戸籍謄本」が必要になる場合があるので、どちらが必要か確認しておいたほうが間違いはありません。
筆頭者って誰?
「戸籍謄本」や「戸籍抄本」を作成してもらうときに書く書類の欄のひとつに「筆頭者」欄があります。
これも意外と知らない人が多いそうです。
筆頭者は、戸籍の一番最初に記載されている人のことを言います。
実家では筆頭者は父親になります。
そして、この筆頭者は亡くなっても最初に記載した人なので、筆頭者欄に記載する人は何年経っても変化はありません。
なぜ、「戸籍謄本」が必要になるのか?
人がなくなると相続が発生します。
その相続を確定するために、亡くなった方の配偶者や子供を確認する必要があります。
その確認のために、「戸籍謄本」が必要になってきます。
これは、出生から死亡するまでの間に、転籍、結婚などで戸籍の内容が変わっていることもあるので生まれてから亡くなるまでの全ての「戸籍謄本」の提出が求められます。
そして、大変なことはその全てが同じ本籍地とは限らないこともあるので本籍地のある市町村の役所にお願いしなければいけないこともあります。
引越しするたびに本籍地を変えていた場合、引っ越しをしたことがあるすべての土地に登録した本籍地の市町村の役所にその書類をお願いしなければいけません。
再び高速を飛ばして本籍地のある役所へ行って「戸籍謄本」を持って実家に行きました。
意外な落とし穴「印鑑証明書」
「印鑑証明書」ってどんな時に必要かと言うと。
新しく会社を設立するとき。
賃貸物件を契約するとき。
マンションや家を購入したり売却するとき。
住宅ローンを組むとき。
土地の売買をするとき。
抵当権設定をするとき。
未成年者の賃貸住宅の入居のとき。
保険金の受け取りや放棄のとき。
自動車の購入のとき。
自動車の売却のとき。
自動車の廃車のとき。
などなどです。
意外と必要なシーンがあるのですが、そんなにひんぱんにあることではなく、「印鑑証明証」の印鑑と証明を出していない印鑑とを間違えてしまう人が意外と多いのだそうです。
そして、私もそのひとりで。
「印鑑証明書」と一緒に実家に置いてきた印鑑と証明書の印鑑がちがっていました。
それで、再び高速を飛ばして実家に「印鑑証明書」と同じ印鑑を届けに行くハメになりました。
二度手間にならないように印鑑は必ず確認しましょう。
コピーは不可。
「印鑑証明書」や「戸籍謄本」などは、コピーは不可です。
なので、無駄になってしまうかもしれませんが、何度も明日を運ぶのが大変な場合には何枚か余分にもらっておくと良いかもしれません。
宇宙のバランスのために動いている
人一人が亡くなって、
「喪にふくす時間」とはこういう手続きのための時間なのではないのか?と思うぐらいにやらなければいけないことがたくさんたくさんありました。
こうして忙しく過ごすことで一日一日をすごし、いなくなった人のいない生活になれて行く時間なのだと思いました。
そして、1ヶ月以上経った今でもまだ連絡待ち状態のものもあります。
あと仕事はまだまだ続きそうです。
人が一人亡くなると、宇宙のバランスが乱れるのだそうです。
その関係でゆがみが起きたりするので体調が悪くなったり敏感な方は感じるといいます。
この宇宙のバランスのために私たちは動いているのかもしれないと感じました。
そうしているうちに49日(実家の場合50日祭)がやって来ます。
故人との本当のお別れの日がやってきます。
どっと疲れが出て体調をくずす方も多いようです。
「ご自愛ください!」と言ってもなかなかそういうわけにはいかないかもしれませんが、栄養と睡眠をしっかりとってお身体を大切になさってくださいね。